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きみは、神さまがぼくにくれた贈り物
ねずみくんのおくりもの
あべやすつぐ・原作 つちだよしはる・文絵
主人公のねずみくんに想いを託し、難病の男性が大切な人へ贈った童話をつちだよしはるさんが絵本化。だれかを想う強い気持ち、あたたかい気持ちが伝わる絵本です。
〈あらすじ〉
自分には得意なことが何もないと悩むねずみくん。大好きなねずみちゃんがよろこぶものを誕生日に贈りたいと、丈夫な前歯で氷の像を削ることを思いつきますが……。
文絵 つちだよしはる
100刷を越えるロングセラーの『きいろいばけつ』などの代表作のほか、手がけた書籍等の作品は600作以上にのぼる。2015年、読書推進団体「一般社団法人あいうえお」を設立。代表理事に就任。
原作 あべやすつぐ(阿部恭嗣)
9歳で筋ジストロフィーと診断され13歳で車イス生活に。病気と闘いながら精力的に障害者の自立生活への道を探り続ける。50歳の時、気管切開で声を失うが、クチマウスと出会いブログや創作を執筆。妻・昭子さんへ贈った童話が本書の原作となった。2008年、52歳で他界。
このお話の原作者は阿部恭嗣さんという人です。やっちゃんはからだの筋肉が動かなくなってしまう「筋ジストロフィー」という難病と9歳からずっと闘っていました。それでも、明るく強く生きた人でした。「人でした」というのは、もうすでに亡くなっているからです。ぼくは、からだに障害があっても「どんどん外へ出ていこう」と考えて行動していた彼のことを、たくさんの人に知ってほしいと考えました。そして、彼が奥さんのためにクチマウス(唇で操作して文字を入力する特殊なマウス)で書いた童話を絵本にしようと思ったのです。やっちゃんは、この本のなかに生きています。きっと読む人みんなの心を明るく照らし、勇気をくれることでしょう。(つちだよしはる)